久高島旅記4

忘れかけた頃に・・・(笑)
この旅、実は日帰りにしようか泊まろうか最初は迷っていた。
だけど、バスとフェリーの時間がうまく合わず島へ渡るのが遅くなってしまったことで、
気持ちは泊まる方向一直線。
宿が空いていれば泊まる運命!
と思い、民宿にしめさんに電話。
「もうひと組女性2人の予約が入ってしまっているけど、
真ん中のみんなが通る部屋でよければ」
電話の向こうから聞こえてくるハナさんの声にひと聴き惚れ。
真ん中でもどこでも、たとえ寝ぼけて踏んづけられようとも(笑)
そんなことは全く構わない。
それよりも何よりも、
とにかく、この人に会いたい!!!
そう心から思った。
あたたかなお人柄は受話器からでもしっかりと伝わるものだ。
自転車を返しに行く前に荷物を置いておこうと宿に寄ってみたが、
ドアを開けても誰の姿も見当たらず、
ただ扇風機だけが首を振りながらまわっていた(笑)
そこは民宿という名の普通のお家。
ハナおばあちゃんの日常が全部あるこの光景に心からホッとし、
早くお会いしたい気持ちはうずうず募るばかり。

サバニのお母さんに聞いてみると、
「ハナさんおさんぽに行ったのかも知れないね。」とのこと。
ごはんを食べて夕陽が沈むのを見届けた後、再度民宿を訪ねると、
今度は奥から元気な声が聞こえてきた。
ハナさんに会える!嬉しさで胸がいっぱいになった。
ハナさんは想像どおりの愛らしい容姿と、
想像以上のやさしさ溢れるあたたかなお人柄。
人なつっこい笑顔はとても美しく、
84歳に見えないほど若々しい。
汗だくのわたしを見て、
すぐさまお風呂に入ることをすすめてくださった。
でもその薦め方が本当にさりげなくて、
本物の家族に接する感じで、胸が熱くなる。
その後本を読んだり、今日起こったことを書き留めていると、
もしよかったら・・・とダイニングへ誘ってくださった。
(またその誘い方がヒジョーにさりげなくて心地よい。)
一緒にTVを見るのも、互いの身の上話をするのも、
島のイザイホー(女性が神に祈りを捧げる儀式。
残念ながら後継者問題で今は執り行われてはいない。)
のお話を聞くのも、すべてが大きな安心感に包まれていた。
ハナさんの口から発せられる言葉ひとつひとつに胸がわくわくした。
一緒に居るだけで、こんなにも心があたたかくなれるなんて・・・
このしあわせな時間は一生忘れない。
ハナさんに会うことこそ、
わたしがここに来た理由だと心から思った。
お嬢さんのワカコさんと3人其々がお風呂を済ませた後、
あまりの暑さに外に出てまたゆんたくしていると、
ハナさんのオトモダチのシンゾウさんがやってきた。
シンゾウさんは三線の先生でさっそく照れながらも三線を弾いてくださった。
シンゾウさんの歌声はお昼に聴いた自然から生まれた音と同じ波調で、
心にすーっと響き渡った。
見上げるときれいな三日月と満点の星。
この夜の美しさは未だにハッキリクッキリと、胸に焼き付いている。
シンゾウさんの素晴らしい歌声については、
i-woman今月号に詳しく書いています。
(とさりげなくアピール(笑)
次はいよいよ最終章。何とか今年中を目標に(笑)

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