すべては音楽に。

今年もあとひと月と1日。
早いものでもう1年を振り返る時が来てしまったなぁ。
今年は仕事が前年よりも楽になるから、
もっと音楽に費やせるかな、という気楽な気持ちだったけど、
ムスメの入学、転校、
プライベートでいろいろと大変なスタートとなった。
そんな中MCの仕事も増えに増え、
屋外猛暑の中の仕事では声を枯らしてしまったり。
声の不調はいつも「もう二度と歌えないかも知れない」
という恐怖との戦いとなり、
音楽から遠ざかるばかりと思った今年前半。
自分たちでライヴを行うことはできない中、
有難くもライヴ依頼のお声かけをいただき、
わたしたちが望んでいた、無料で観覧できるライヴの機会も何度か与えていただいた。
でもライヴをさせていただくにあたり、
その余裕の無さと、体調の悪さなどに、
ひたすら申し訳ない気持ちでいっぱいなのが本音だった。
不完全で舞台に立つくらいなら、
いっそ暫くの間ライヴなど辞めてしまおうとも
何度思ったかわからない。
そんな中参加させていただいたチャリティーライヴは、
大きな力を与えてくれた。
わたしたちの知らないところでわたしたちの歌を聴いてくださり、
元気になったとおっしゃってくださったたくさんの方との出会い。
その方たちが気付かせてくれたことは、
音楽は自分が歌っている場所をどんどん離れていくということ。
たとえばライヴ会場で同じ時間空間を共有していても、
音楽が生活にどうやって入り込むかはもうその人だけのものになる。
そういう思いを改めて感じたとき、
音楽を休止しようとか、
そもそもそんなことを自分でどうこう思うことがエゴであると思った。
自分が歌うのではない。
周りが歌わせてくれるのだ。
聴きたいと思ってくれる人がひとりでもいる限り、
その人が歌を歌わせてくれるのだ。
不完全でも、余裕がなくても、
生きている限り、
生きることは歌うこととずっとつながっているのだ。
今は音楽にしっかり向き合えない時期だけど、
生きるのに精一杯な今しか歌えない歌がきっとある。
やっとそう思えるようになった。
そう気付かせてくれたのはわたしたちの音楽を聴いてくれた方々。
聴いてくださる方がいて初めて音は生まれる。
だから歌うことは素晴らしい。
音楽は素晴らしい。
そう思わせてくれた
Salaの歌をお聴きくださった方々に、
ただありがとうの気持ちでいっぱいです。
そして、喋る仕事でインタビューさせていただいたたくさんのミュージシャンから、
さまざまなことを学ばせていただき、
これも大きなわたしの音楽活動の肥料となっていることにも改めて感謝。
今振り返ればすべてがいとおしい2010年にありがとう。
大変な年こそ、いい年だったと思える、
それが人生の素晴らしきところ。
さ、あともうひと月もがんばるぞー。

目次
閉じる